2025.06.25

ブロックチェーンの基礎:分散型技術がもたらす新たな信用モデル

ブロックチェーンの基礎:分散型技術がもたらす新たな信用モデル

こんにちは。株式会社インタードリームです。

弊社はオープンソースやデータベースを活用したWebシステム開発をはじめ、AI開発、産業用ロボット・IoTを活用した自動化システムインテグレーションなど、最先端の技術でお客様の「夢」を実現するパートナーとして日々邁進しております。

本記事は、業務のデジタル化やIT活用を進めたい企業の担当者に向けて、ブロックチェーンとその基盤となる分散型技術の仕組みをビジネス活用の視点から解説します。
専門的な内容もできるだけ分かりやすい表現で説明し、技術に不慣れな方にもご理解いただけるよう努めております。

ぜひ最後までご覧いただき、弊社の取り組みをご確認いただければ幸いです。

この記事を読めば分かること

  • ブロックチェーンの仕組みと分散型技術の基本を理解できる
  • 3つの活用スタイルの違いや、自社に合う型の選び方が整理できる
  • 業務の効率化や信頼性向上にブロックチェーンがどう役立つかがわかる
  • 導入ステップや不安への対処法が具体的にイメージできる

分散型技術のしくみを知る、ブロックチェーンの基本

これまでのデータ管理は、ひとつの企業や管理者がデータベースを中央で管理・運用する「中央集権型」が一般的でした。サーバーに集約された情報を一元的に管理するこの仕組みは、導入が比較的容易で管理の効率性もありましたが、その一方で「一部が止まると全体が止まる」「誰か一人が変更できてしまう」「改ざんや漏洩のリスクが集中する」といった課題も抱えていました。

こうした中央依存の構造を根本から見直し、「信頼を分散させる」ことでセキュリティ性・透明性・耐障害性を飛躍的に高めたのが、ブロックチェーンをはじめとする「分散型技術」です。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンは、「分散型台帳技術(Distributed Ledger Technology)」の一種です。
特定のサーバーや管理者に情報を集約するのではなく、ネットワーク上の複数の参加者(ノード)に分散して記録・管理する仕組みです。
最大の特長は、中央の管理者なしでも、参加者同士が記録の正しさを保証できることです。
その結果、情報の改ざんリスクを大幅に下げ、信頼性ある共有が可能になります。

仕組み

ブロックで記録する

ブロックチェーンでは、情報は「ブロック」と呼ばれる単位でまとめて記録されます。
各ブロックには、データの内容、記録した時刻、そして直前のブロックの情報(ハッシュ値)が含まれています。

チェーンで守る

ブロック同士が鎖のようにつながることで、全体の整合性が保たれています。
途中のブロックを勝手に書き換えると、それ以降すべてのつながりに影響が出るため、改ざんはほぼ不可能です。

ネットワーク全体で管理する

これらのデータは、一部のサーバーではなく、複数のコンピュータ(ノード)で分散して管理されています。
ノード同士が相互に確認し合うことで、不正やミスを自動的に検出し、信頼性の高い状態を維持できる仕組みになっています。

特徴

改ざんが非常に困難

すべての記録がネットワーク全体で共有・監視されており、過去の情報を書き換えるには多数のノードを同時に操作する必要があります。これにより、第三者による不正やなりすまし、情報の隠蔽がほぼ不可能になります。

記録の見える化と履歴の保存性

すべての操作や取引は、時系列で記録されて残ります。「いつ・誰が・何をしたか」が後からでも追えるため、監査や証明が必要な業務に適しています。食品の産地証明や部品の製造履歴などにも活用可能です。

中央管理が不要

1社や1人にすべての権限を委ねる必要がなく、複数の参加者でデータを分散管理することで、自然に信頼性を確保できます。これにより、仲介コストの削減や、属人化の防止にもつながります。

障害に強い構造

記録が一か所に集約されていないため、一部のシステムが停止しても全体は機能し続けるという耐障害性を備えています。災害やトラブルが起きても、業務継続の面で安心できる設計です。

これらの特長から、金融取引だけでなく、製造・物流・契約管理など、「正確で信頼できる情報共有」が求められる業務において注目が高まっているのです。

3つの活用スタイル:パブリック・プライベート・コンソーシアム

ブロックチェーンは、運用スタイルによって大きく3つに分類されます。それぞれの違いを理解することで、自社に適した活用方法を検討しやすくなります。

パブリック型

誰でも参加・閲覧できる開かれたネットワークです。ビットコインやイーサリアムのような公共性の高い用途で使われます。
情報がオープンになるため、取引相手を限定したい用途には不向きです。

プライベート型

特定の企業・組織内で閉じたネットワークとして利用します。
アクセス制御がしやすく、処理速度も速いため、業務システムとの連携に向いています。

コンソーシアム型

複数の企業や団体が共同で利用するスタイルです。
利害関係者が多い取引や、業界内での記録の標準化などに効果的です。

AI・IoTとつながるブロックチェーンの可能性

ブロックチェーンは、AIやIoTと組み合わせることで、「データを記録する技術」から「信頼できる判断と記録を一体化する仕組み」へと進化します。

なぜAI・IoTと相性がいいのか?

IoTは現場の状態をリアルタイムに取得し、AIはそのデータをもとに分析・判断を行います。
ブロックチェーンは、その判断結果や処理内容を改ざんできないかたちで記録し、履歴として残すことで、業務の記録内容を見える形で残し、不正やミスを防ぐ役割を果たします。
それぞれの技術が連携することで、「現場の動き」「判断の根拠」「記録の正確さ」が一体となった仕組みが実現します。
ここでは、AIやIoTとブロックチェーンを組み合わせた活用シーンをいくつかご紹介します。

活用シーン

製造業:検査記録や品質情報の信頼性を高める

製品検査や部品の状態をAIで自動判定し、その結果をブロックチェーンに記録します。
後工程や顧客対応の際に「このときこう判断された」という履歴が残っていることで、トラブル時の確認や社内品質保証の裏付けとなります。

廃棄物処理・リサイクル業:処理履歴の透明性向上

スクラップや廃材の識別・分類をAIが自動化し、その結果や処理ログをブロックチェーンに保存します。
不正処理や記録ミスを防ぎ、環境対策や行政報告においても信頼性の高い運用体制を構築できます。

物流・小売:入出荷や検品の状態確認を自動で記録

商品の積み下ろしや検品の様子をカメラとAIでチェックし、問題の有無やラベル認識結果などを記録として残します。
配送中の破損や積み間違いがあった際にも、信頼できるログをもとに原因の特定が可能になります。

導入を成功に導くステップと注意点

導入のステップ

目的と課題をはっきりさせる

「どこに課題があるのか」「何を改善したいのか」を整理することが、導入の第一歩です。
例えば、記録の信頼性を高めたいのか、それとも業務の自動化を進めたいのか。目的を明確にすることで、適切な設計や活用方法が見えてきます。

活用スタイルを選ぶ

パブリック・プライベート・コンソーシアムの3つの型から、自社に合ったものを選びます。
「誰と共有するのか」「管理はどこが担うのか」が選定のポイントです。

業務フローやシステムとのつながりを考える

現場での業務とどのように連携させるか、既存のシステムとどう組み合わせるかを検討します。
特にAIやIoTとの連携を見据えると、設計の幅が広がります。

まずはPoC(概念実証)から試してみる

いきなり大規模導入ではなく、まずは小さな範囲で「効果があるか」を試します。現場との相性や改善の手応えを確認するフェーズです。

本番導入と運用体制を整える

PoCでの成果をもとに、必要な機能を整えて本番へ導入します。運用後のトラブル対応や拡張性も視野に入れて設計します。

導入時に考慮すべき3つの重要ポイント

初期コストと難しさ

「難しそう」「高そう」という印象を持たれがちですが、まずはPoCから始めればコストを抑えつつ効果を確認できます。最初から大がかりにする必要はありません。

セキュリティと情報管理

ブロックチェーン自体は強固な仕組みですが、アクセス制御や暗号処理など、設計次第でセキュリティリスクは変わります。導入前にしっかり対策を考えましょう。

運用の複雑さと専門知識

ブロックチェーンは導入だけでなく、運用にもある程度の専門知識が求められます。
例えば、台帳の設計、APIとの連携、既存システムとの接続、周辺プログラムの開発など「ブロックチェーンだけでは完結しない技術」が必要になるケースも少なくありません。

こうした複雑なフェーズでは、技術と業務の両面を理解したパートナーの存在が非常に重要です。
インタードリームでは、導入の検討段階から、業務に応じた技術設計やシステム連携までを一貫してサポートしています。

Q&Aで解決:よくある疑問にお答えします

Q.1 ブロックチェーンとは、そもそもどんな技術ですか?

ブロックチェーンは、参加者全体で取引情報を共有・管理し、改ざんできない形で記録を残す「分散型台帳技術」です。
特定の管理者がいなくても、信頼できる情報管理が可能になります。

Q.2 分散型技術って、従来のシステムと何が違うの?

データを一部のサーバーで集中管理するのではなく、ネットワーク全体で分散して管理する点が大きな違いです。
これにより、障害や不正にも強く、システム全体の信頼性が高まります。

Q.3 初期コストが高いのでは?

小規模な実証実験(PoC)から始めることで、無理なくコストを抑えた導入が可能です。
まずは小さく試して、効果を見極めるのが現実的です。

Q.4 現場の担当者にも運用できますか?

はい。システムの設計や連携を工夫すれば、専門知識がなくても扱える環境を整えることができます。
技術に詳しくないスタッフでも、現場の業務の中で無理なく活用できる仕組みを構築できます。

Q.5 どの活用スタイルを選べばよい?

パブリック・プライベート・コンソーシアムの3つの型があります。
業種や共有範囲、信頼関係の有無によって最適な型を選ぶことが大切です。

Q.6 自社システムとの連携は難しい?

APIや周辺プログラムの設計次第で、既存システムとの連携もスムーズに行えます。
柔軟に対応できる仕組みをつくることで、業務との統合も現実的です。

Q.7 セキュリティ面は本当に安心?

ブロックチェーン自体は、分散型構造と暗号技術により非常に高い安全性を持っています。
ただし、アクセス制御や設計ミスには注意が必要です。

Q.8 情報の公開範囲は調整できますか?

プライベート型のブロックチェーンやアクセス制御の設計により、情報の公開範囲は自由に設定できます。
関係者の範囲や業務内容に応じて、柔軟に共有レベルを設計することが可能です。

Q.9 運用が複雑で手間では?

運用には一定の専門知識が必要な場合もありますが、パートナーと連携すれば負担を減らせます。
設計から運用までをサポートできる体制を持つ企業と組むことが重要です。

Q.10 何から始めればいいの?

まずは自社の業務課題を洗い出し、「何を改善したいのか」を明確にすることがスタート地点です。
その上で、導入経験のあるパートナーに相談するのがおすすめです。

まとめ:ブロックチェーンを自社に活かすために

ブロックチェーンは、「信頼を技術で担保する」革新的な仕組みです。
記録の正確性を確保しながら、業務の効率化や自動化にもつなげられるこの技術は、さまざまな業界で活用が広がり始めています。
重要なのは、「何を目的に、どこに組み込むか」を見極めることです。
すべてを一気に変えるのではなく、小さく始めて成果を確認し、段階的に展開することが成功の近道です。

専門家サポート

ブロックチェーンの導入をご検討中の企業様は、まずは業務課題を明確にし、どこに適用できるかを整理することが第一歩です。

インタードリームのID ZEROでは、専門家のサポートを通じて、検討段階からスムーズかつ効果的な導入までをしっかり支援しています。
まだ構想段階のご相談でも構いません。お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせのご案内

インタードリームでは、ブロックチェーン技術を基盤とした安全で拡張性のあるシステムの構築・導入支援を行っています。お客様の業務課題や運用体制に応じて、実績と技術力を活かした最適な設計をご提案し、スムーズな導入と運用を支援します。
導入をご検討中の方は、ぜひ当社Webサイトのお問い合わせフォームよりご相談ください。

ブロックチェーンの持つ「分散型の信頼性」を、貴社の業務の中で最大限に活かすために、私たちが全力でサポートいたします。

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