2025.08.13
AIチャットボットの導入と運用:顧客体験向上のポイント

こんにちは。株式会社インタードリームです。
弊社はオープンソースやデータベースを活用したWebシステム開発をはじめ、AI開発、産業用ロボット・IoTを活用した自動化システムインテグレーションなど、最先端の技術でお客様の「夢」を実現するパートナーとして日々邁進しております。
本ブログでは、弊社が取り組むテクノロジー業界に関する基本情報や最新トピックをご紹介いたします。
さらに各技術の背景や導入メリットについても丁寧に解説しております。
専門的な内容もできるだけ分かりやすい表現で説明し、技術に不慣れな方にもご理解いただけるよう努めております。
ぜひ最後までご覧いただき、弊社の取り組みをご確認いただければ幸いです。
この記事を読めば分かること
- チャットボットの仕組みを理解できる
- 導入の準備や進め方がわかる
- 自社に合う導入方法を検討できる
AIチャットボットの基礎知識を学ぶ
業務のデジタル化が進む中で、企業の対応力やサービス品質を支えるツールとして「AIチャットボット」が注目されています。問い合わせ対応の自動化や社内の業務支援としても活用される場面が増えており、導入のハードルも以前に比べて大きく下がってきました。
AIチャットボットとは?
AIチャットボットとは人工知能(AI)の技術を活用し、顧客や従業員の質問に対して自動で応答を行うシステムです。
従来のチャットボットは、あらかじめ設定された選択肢に沿って操作するものが主流でしたが、近年ではOpenAIのChatGPTに代表されるような自然言語処理(NLP)の技術が進化し、より“人間らしい”自然な対話が可能になってきています。
従来型との違いと進化の背景
従来のチャットボットでは「返品したいのですが」という質問には対応できても、「商品が合わなかったので返したい」といった言い回しに対応するには難がありました。現在では文脈を理解した柔軟な返答ができるAI型チャットボットの登場により、ユーザー体験が大きく改善されています。
ルール型とAI型の違い
チャットボットには主に「ルール型」と「AI型」の2つのタイプがあり、それぞれの特徴によって適した用途が異なります。
ルール型
あらかじめ用意されたキーワードや選択肢に応じて、定型的な回答を返すタイプです。
操作の流れが明確で誤作動も起きにくく、FAQ対応や予約受付など、対応内容が決まっているケースに適しています。
AI型
ユーザーの自由な入力に対して、文章の意味や文脈を読み取って自然な返答を行うタイプです。
ChatGPTのような言語モデルが活用されており、柔軟な接客対応や、少し複雑な問い合わせへの応答に向いています。
チャットボットが選ばれる理由
AIチャットボットの導入が進んでいる背景には、企業を取り巻く環境の変化と現場の具体的なニーズがあります。ここでは導入が広がる理由と、業務の中でチャットボットが果たしている役割を見ていきましょう。
働き手不足と「即時対応」への期待の高まり
近年多くの業界で人手不足が課題となっており、限られた人数で効率的に業務を回す必要があります。
特にカスタマーサポートやバックオフィスでは、問い合わせ対応の負荷が大きく、従業員の業務を圧迫する要因になりがちです。
同時に、ユーザー側の期待も変化しています。「すぐに答えがほしい」「夜でも問い合わせしたい」といったニーズが高まり、従来のメールや電話ではカバーしきれないケースが増えています。
こうした背景の中でチャットボットによる自動応答は、人的リソースの補完とユーザー満足度の両立を実現できる手段として注目されています。
自動化だけでなく、業務全体の“質”を高める
AIチャットボットの強みは、単なる定型作業の自動化にとどまりません。
例えば予約受付やFAQ対応といった業務をチャットボットに任せることで、人は判断や提案、対話といった本来注力すべき業務に集中できるようになります。さらに対応内容はすべてログとして蓄積されるため、ユーザーの傾向分析やサービス改善にも役立ちます。
AI型のチャットボットであれば、曖昧な表現や自然な言い回しにも柔軟に対応できるため、“人間らしいやり取り”による接客の質向上も実現可能です。
ビジネス現場で支持される理由
AIチャットボットが多くの企業で支持されているのは、「コストを抑えながら質を高める」仕組みとしてその効果が明確に見えるからです。導入によって得られる主なメリットを、以下に整理してご紹介します。
対応件数の増加に対応できる
問い合わせが集中する時期でも、チャットボットなら同時に多数のユーザーに対応できます。人員を増やすことなく、処理能力を拡張できるのは大きな利点です。
属人化を防ぎ、誰でも均一な応対が可能
マニュアルやナレッジをチャットボットに組み込むことで、誰が対応しても同じ品質の応対が実現できます。オペレーターごとのバラつきを防ぐ仕組みとしても有効です。
24時間稼働で機会損失を防ぐ
営業時間外や休日でも、ユーザーからの問い合わせに最低限の対応ができます。問い合わせのタイミングに左右されず、ビジネスチャンスを逃しません。
業務改善やUX向上につながるデータが得られる
ユーザーとのやり取りがすべてログとして残るため、よくある質問の傾向や言葉の使われ方を把握できます。これによりFAQの改善やサービス内容の見直しにも活用できます。
現場で活きるチャットボット活用法:チャットアプリとChatGPTの応用例
現場で増えている導入パターン
ECサイト
商品の配送状況確認や返品手続き、サイズに関する質問など、購入前後の問い合わせ対応にチャットボットが活用されています。
ユーザーからの質問に即時応答できるため、離脱を防ぎ、購入率の向上につながるケースも多くあります。
教育サービス
利用者が普段使いしているチャットアプリと連携することで、講座の案内や体験レッスンの申込みを自動化できます。
担当者が不在の時間帯でも、受講希望者にスムーズな情報提供が可能となり、機会損失を防ぎます。
社内ITヘルプデスク
「パスワードを忘れた」「プリンターが動かない」といった社内からの問い合わせに対し、チャットボットが手順を自動案内します。
これにより、対応のスピードが上がり、担当者の負担も軽減されます。
チャットアプリ・ChatGPTとの連携による広がり
チャットアプリ連携
多くの人が日常的に利用しているチャットアプリに組み合わせることで、問い合わせのハードルを下げられます。
- 営業時間やアクセスの案内
- 予約や申し込みの受け付け
- キャンペーン情報の案内や割引の配布
ChatGPT連携
大規模言語モデル(LLM)を活用すれば「白くてコンパクトな冷蔵庫が欲しい」といった曖昧な要望にも対応でき、条件をくみ取って自然な言葉で商品やサービスを提案できます。
ただし自由度が高いぶん、誤った回答や意図しない表現が生まれるリスクもあるため、フィルタリングや応答ルールの設計が欠かせません。
実際にどう作る?導入のステップと注意点
ステップ1:目的とゴールを定める
まずはチャットボットを導入して何を実現したいのかを明確にすることが大切です。目的を具体的にしておくことで、その後の設計や運用もぶれずに進めやすくなります。
注意点:目的があいまいだと、効果が測れない
「なんとなく便利そう」で始めてしまうと、導入後に評価ができず、社内の合意形成も難しくなります。
ステップ2:対応範囲とユーザーを設定
すべての問い合わせをAIに任せるのではなく、どこまでをチャットボットで対応し、どこからを人の対応に切り替えるかをあらかじめ整理しておくことが大切です。
注意点:AIに任せすぎない
トラブル対応やクレーム処理までAIに任せてしまうと、ユーザーの不満が高まる恐れがあります。切り分けの設計が重要です。
ステップ3:FAQや会話フローの整備
問い合わせ履歴や過去の対応内容をもとに、まずは「よくある質問」を10個程度洗い出すところから始めましょう。質問の多い順に整理していくことで、優先度の高い内容から対応を進めることができます。
注意点:社内で完結しない
FAQ作成は、カスタマーサポートや現場担当者の協力が不可欠です。開発部門だけで進めると、実際の現場ニーズとズレやすくなります。
ステップ4:ツール選定と構築
ノーコードで使えるツールから、ChatGPT APIを活用した柔軟な設計まで、目的や社内の体制に応じて選ぶことができます。操作性や運用のしやすさも含めて、自社に合ったものを選ぶことが大切です。
注意点:機能よりも“合うかどうか”が大事
高機能なツールが必ずしもベストとは限りません。運用負荷や、社内のITリテラシーとの相性も踏まえて選びましょう。
ステップ5:テストと公開
段階的に公開しながら、実際のやり取りを通じて誤回答や使いにくさがないかを確認します。初期段階では細かな改善点が見つかることも多いため、ユーザーの反応をもとに調整を重ねることが大切です。
注意点:テストを省略しない
「FAQ通りに答えている=大丈夫」と思いがちですが、実際のユーザー入力は予想以上に多様です。事前の検証フェーズを必ず設けましょう。
ステップ6:運用と改善
対話ログを見ながら、実際によく使われる言い回しや新しい質問を追加し、応答の質を少しずつ高めていきます。小さな改善の積み重ねが、使いやすさや信頼感につながります。
注意点:「作って終わり」にしない
チャットボットは“育てる”ものです。放置すると精度が落ち、逆に業務効率を下げてしまうこともあります。定期的な見直しが不可欠です。
Q&Aで解決:よくある疑問にお答えします
Q1. 小さな会社やチームでも導入できますか?
対応内容を絞ってスタートすれば、少人数の体制でも無理なく運用できます。
最近は設定が簡単なサービスも多いので、初めてでも導入しやすくなっています。
Q2. まず何から始めればいいですか?
最初はよく寄せられる質問を10個ほど書き出すことから始めてみましょう。
それをベースにどんな流れで答えればいいかを考えると、自然に設計のイメージが見えてきます。
Q3. プログラミングができなくてもチャットボットは作れますか?
最近は「ノーコード」と呼ばれるツールがあり、専門知識がなくても画面の操作だけで作成できます。
設定や管理も直感的にできるので安心です。
Q4. スマホや普段使っているチャットアプリでも使えますか?
多くのチャットボットはスマートフォンに対応しており、Webチャットとして使えるのはもちろん、普段使い慣れたメッセージアプリと連携させることも可能です。
ユーザーは使い慣れた環境のまま、気軽に問い合わせができるため、利便性の高い運用が実現できます。
Q5. AIチャットボットはどこまで対応できますか?
あらかじめ用意した質問や内容に対して、自動で答えることが得意です。
ただしイレギュラーな質問や複雑な相談には人が対応するほうが安心です。必要に応じて切り替えられる設計がおすすめです。
Q6. ChatGPTを使うと、間違った回答が返ってきたりしませんか?
その心配はありますが、事前にルールを決めたり答えてほしくない内容を制限することで、誤った回答は防ぎやすくなります。
業務で使う場合はこうした調整がとても大切です。
Q7. 効果はどのくらいで見えてきますか?
よくある質問にしっかり対応できる内容であれば、早ければ1〜2ヶ月で、応答時間の短縮や問い合わせ数の減少といった成果が出てくるケースもあります。
Q8. 費用はどれくらいかかりますか?
利用するツールや導入範囲によって大きく異なりますが、ノーコード型のサービスを使えば、月額数千円程度から始められるケースもあります。
業務との相性や将来的な拡張性も含めて、段階的な検討がおすすめです。
まとめ:AIチャットボットを自社に活かすために
AIチャットボットは今や特別な存在ではなく、業務の効率化や顧客体験の向上を支える身近な仕組みになりつつあります。だからこそ完璧なものを最初から目指すのではなく、実務に合わせて少しずつ育てていくことが大切です。
まずは「よくある質問を10個書き出す」ところから始めてみましょう。
現場の課題に向き合いながら設計を進めることが、無理のない導入と継続的な改善につながります。
専門家サポート
インタードリームでは、AI開発を支援するプラットフォーム「ID ZERO」を通じて、チャットボットを含むAI活用の方向性検討をサポートしています。
業務での活用を検討されている企業様には、導入の構想づくりや活用シーンの整理など、計画段階でのご相談にも対応しています。
これからの活用に向けて、私たちと一緒に最適な一歩を考えてみませんか。
お問い合わせのご案内
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プロのサポートを活用することで、自社業務に合ったチャットボット活用が実現し、顧客対応や社内業務の効率化につながります。
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