2025.07.09
DX推進の失敗を防ぐ5ステップ:ありがちな落とし穴と成功の条件

こんにちは。株式会社インタードリームです。
弊社はオープンソースやデータベースを活用したWebシステム開発をはじめ、AI開発、産業用ロボット・IoTを活用した自動化システムインテグレーションなど、最先端の技術でお客様の「夢」を実現するパートナーとして日々邁進しております。
本ブログでは、弊社が取り組むテクノロジー業界に関する基本情報や最新トピックをご紹介いたします。
さらに各技術の背景や導入メリットについても丁寧に解説しております。
専門的な内容もできるだけ分かりやすい表現で説明し、技術に不慣れな方にもご理解いただけるよう努めております。
ぜひ最後までご覧いただき、弊社の取り組みをご確認いただければ幸いです。
この記事を読めば分かること
- DXの本来の目的や進めるべき方向性がわかる
- よくある失敗事例から、自社で避けるべき落とし穴がわかる
- 成功に向けたDXの進め方を、5つのステップで整理できる
- 導入前に感じやすい不安や疑問を、事前に解消できる
DXの基礎知識を学ぶ
DXとは何か
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して企業の業務やビジネスモデルを根本から見直し、変化に強い仕組みを構築する取り組みです。
単なるITツールの導入や一部業務の電子化にとどまらず、企業としての価値の届け方や組織そのものの在り方までを再構築していく全社的な変革が求められます。
例えば、紙の伝票をExcelに置き換えるだけでは、いわゆる「デジタル化」にとどまります。
一方で、受注から在庫や配送までを一元的に管理し、状況をリアルタイムで把握できるようにすると業務のムダが減り、顧客対応のスピードや質も自然と高まっていきます。
なぜDXが必要なのか
多くの企業では、長年使い続けてきた仕組みや業務のやり方が、今もそのまま残っていることがあります。「担当者しかわからない」「少し変えるだけでも時間がかかる」といった状況に、思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このような状態を放置していると、環境の変化に対応できなくなり、気づいたときには手遅れになってしまう可能性もあります。
経済産業省も「2025年の崖」という言葉で、こうしたリスクに早めに備える必要性を指摘しています。
※「2025年の崖」…老朽化したシステムの継続使用により、柔軟性や対応力が失われ、事業継続に支障が出るとされる問題。
DXは、このような将来的な不安を減らし、変化に対応できる柔軟な体制を整えていくための手段です。
現場でよく見られるDXの失敗事例とその原因
目的があいまいなまま進めてしまう
「とりあえずDXを始めてみた」「補助金が取れるからやってみよう」そんな曖昧な理由でスタートすると、現場は動きづらくなります。
何のためにやるのかが共有されていないと、協力も得にくく、途中で取り組みが止まってしまうことも珍しくありません。
ツールを入れて満足してしまう
クラウドやRPA(定型業務を自動化するソフトウェアロボット)などのツールを導入しただけで、「DXができた」と満足してしまうケースもあります。
業務自体を見直さずにツールを乗せても、かえって手間が増えたり混乱を招いたりすることがあります。
製造業の企業でRPAを使って注文処理を自動化しようとしたケースでは、もともとの業務フローが複雑だったため、対応しきれない業務がいくつも残ってしまったそうです。
結局、現場での手作業が増え、負担がむしろ大きくなってしまったといいます。
ツールはあくまで目的を達成する手段です。使う前に「どこが本当に課題なのか」を整理することが欠かせません。
現場の声が反映されていない
経営側の判断で進めたDXが、現場の意見を聞かずに導入されると「使いづらい」「負担が増えた」といった不満につながります。
物流業の企業で在庫管理ツールを導入したケースでは棚卸しのルールや商品コードのつけ方が現場と合っておらず、ツールが思うように活用できなかったそうです。
結局、もとのアナログなやり方に戻ることになり、現場の混乱を招いてしまったといいます。
これらの失敗に共通しているのは、現場の業務や課題をきちんと理解しないまま技術だけを先に導入してしまうことです。
DXを成功させるには「何が問題か」を把握し、「どう変えるか」を明確にすることが欠かせません。
導入を成功させるために確認しておきたいポイント
DXを進めるうえでは、取りかかる前の段階で、しっかりと土台を整えておくことが大切です。
「まずはやってみよう」と勢いで始めてしまうと、途中で方針がぶれたり、現場の理解が追いつかずに、取り組みが中途半端に終わってしまうことも少なくありません。
DX導入前に見直しておきたい準備のポイント
経営層のコミットはあるか
DXは単なる業務改善ではなく、経営戦略そのものに関わる取り組みです。
現場任せではなく、トップが方向性を示し、会社全体として取り組む姿勢が求められます。
DXの目的と期待効果が明文化されているか
「なぜやるのか」「どんな変化を目指すのか」が明確でないまま進めると、関係者の認識がバラバラになりがちです。
目標は数値でなくてもかまいませんが、社内で共有できる言葉として整理しておくことが大切です。
現場の業務フローが可視化されているか
日々の業務がどのように進んでいるのかを把握できていないと、改善すべき箇所も見えてきません。
まずは、どこにムダや手戻りがあるのかを見える化することが、DXの第一歩になります。
課題と優先順位が整理されているか
改善したいことはたくさんあっても、一度にすべてに取り組むのは現実的ではありません。
どこから手をつけるか、何を先に変えるかの優先順位を明確にしておくことが、着実な進行につながります。
社内の理解と合意が得られているか
新しい仕組みやルールに対する抵抗感は、誰にでもあるものです。
「なぜ変えるのか」「どう変わるのか」を丁寧に説明し、現場の声を聞きながら進めることで、スムーズな定着が期待できます。
インタードリームでは、DXの準備段階から業務内容の整理や優先順位の見直しをご支援しています。
現場の状況や組織の課題に合わせて、無理のない進め方を一緒に考えることが可能です。
スモールスタートのすすめ
もうひとつ重要なのは、「いきなりすべてを変えようとしないこと」です。
最初は一部の部署や業務から始めて、効果を確かめながら徐々に範囲を広げていく方法が、現場の混乱を防ぐうえでも効果的です。
成功に導くDX推進ロードマップ
DXを成功させるには、無理のない段階的な進め方が重要です。勢いで始めてしまうと、現場が混乱したり、続かなくなったりするケースが少なくありません。
ここでは、実際に現場でDXを進める際の5つのステップをご紹介します。
Step1 経営戦略との整合性を確認する
DXは単なるIT導入ではなく、経営そのものを見直すための取り組みです。
最初に「自社はどんな価値を提供したいのか」「何を変えたいのか」といった問いに向き合い、ビジョンを明確にすることが大切です。
経営層の旗振りが成否を分ける
現場任せで進めてしまうと、途中でブレたり、温度差が生まれてしまいます。
経営層が自ら方向性を示し、全社的な姿勢として取り組むことで、現場の動きにも説得力が生まれます。
Step2 現状を見える化する
どこをどう変えるべきかを知るには、まずは現状を把握することが欠かせません。
業務の流れ・関係者・課題などを整理し、「どこにムダがあるのか」「どこでつまずきやすいのか」を明らかにすることがスタートラインです。
図やフローで“業務の地図”を描く
紙のメモや属人的な判断に頼らず、業務を目で見えるかたちにすることで、共通理解が生まれ、課題の優先順位もつけやすくなります。
Step3 小さな単位で試す
すべてを一気に変えようとすると、失敗のリスクも大きくなります。
まずは小さな範囲で、新しいやり方を試してみるところから始めましょう。
PoCで実際に“やってみる”ことの価値
PoC(概念実証)として、一部の業務や現場で新しい仕組みを試すことで、「本当に使えるか」「どんな課題があるか」を確認できます。
結果をもとに改善しながら進めていく姿勢が、成功への近道になります。
Step4 成果を横展開する
小さな成功が得られたら、今度はそれを他の部門にも展開していきましょう。
ただし、コピーするのではなく、それぞれの現場に合わせた柔軟な適用が必要です。
ナレッジを共有して全社に波及させる
成功したプロジェクトの進め方や工夫を文書化・共有することで、次の導入がしやすくなり、社内に「成功体験の連鎖」が生まれます。
Step5 継続的に改善する
DXは「導入したら終わり」ではありません。むしろ本番は、運用が始まってからです。
変化に対応できる“育てる仕組み”を持つ
システムが定着しているか、効果は出ているかを定期的に振り返り、必要に応じて見直し・改善を加えていくことが、息の長いDXには不可欠です。
改善を日常化できる体制づくりも、あわせて検討していきましょう。
Q&Aで解決:よくある疑問にお答えします
Q1. DXはIT導入と何が違うのですか?
IT導入は手段のひとつにすぎません。
DXは、業務や組織のあり方そのものを見直し、企業の変化対応力を高める取り組みです。
Q2. DXの準備として、最初にやるべきことは何ですか?
まずは現場の業務フローを整理し、何が課題で、何を実現したいのかを明確にすることが出発点になります。
Q3. DXはどのように始めるのが効果的ですか?
一部の業務やチームで試す「スモールスタート」がおすすめです。
PoC(概念実証)として小規模に導入し、効果や課題を確認しながら広げていくことで、現場の混乱を防ぎやすくなります。
Q4. DXの対象業務はどう選べばよいですか?
成果が見えやすく、改善効果が出やすい業務から始めるのが効果的です。
現場で負担やムダが多い業務を優先するのもひとつの方法です。
Q5. 失敗を防ぐために注意すべきことは何ですか?
目的が曖昧なまま進めないことが最も重要です。
現状をしっかり把握し、運用まで見通した計画を立てることが、失敗回避のカギになります。
Q6. 一度失敗していて再挑戦が不安です。
失敗から学べば十分に再挑戦は可能です。
まずは小さく始めて、成功体験を重ねていく進め方をおすすめします。
Q7. DXが継続しない、途中で止まってしまうのはなぜですか?
改善の仕組みが設計されていない、担当者が不在、目的が形骸化しているといった要因が多く見られます。
継続的に振り返る体制づくりが不可欠です。
Q8. 社内に専任の担当者がいない場合はどう進めればいいですか?
DXの知識や経験が十分でない場合は、外部の専門家に相談するのが現実的です。
必要な部分だけ支援を受けながら、社内で対応できる範囲を少しずつ増やしていく進め方が効果的です。
まとめ:DXの教訓を自社に活かすために
DXは、ただ技術を導入するだけでは本当の効果は得られません。まずは、今のやり方を冷静に見直し、何が課題で、何を目指すのかを明確にすることが出発点になります。
小さな取り組みを重ねながら、着実に変化を積み上げていくことが、会社全体の進化につながる道筋です。
専門家サポート
インタードリームの「ID ZERO」では、専門家のサポートを通じて、業務内容や課題を丁寧にヒアリングしながら、システム開発に向けた方向性や進め方を具体的に設計していく支援も行っています。
現場で何が課題になっているのか、どこから手をつけるべきかを一緒に整理しながら、PoCの設計や技術選定、運用面までを見据えた提案が可能です。
お問い合わせのご案内
弊社では、DXの導入に向けた準備から実行、そしてその先の運用支援まで、一貫したサポートをご提供しています。
「何から始めればいいかわからない」「過去にうまくいかなかった」といったお悩みも、ぜひ当社Webサイトのお問い合わせフォームからご相談ください。
お客様の業務や目指す姿に合わせて、無理のない進め方や、実現可能な仕組みをご一緒に検討いたします。専門的な視点を取り入れることで、DXが“一度きりの試み”で終わるのではなく、現場に根づく継続的な変革へとつながります。
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